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eco-バブル®から発する酸素マイクロバブルで曝気した水を用いたミニチンゲンサイの水耕栽培実験

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ミニチンゲンサイの水耕栽培実験水槽

水耕栽培用水槽の培養液(640 x 130 x 20 cm)を,2基のeco-バブル®-S1から発生する酸素マイクロバブルで毎日夜間に4時間(0:00〜4:00)曝気して,ミニチンゲンサイの水耕栽培実験を行いました.

水耕栽培実験水槽の溶存酸素濃度の時間変化

水耕栽培用水槽の溶存酸素濃度の時間変化

実験区の昼間:水槽の溶存酸素濃度は変化しません.
  夜間:一定の速度で溶存酸素濃度が減少します.
コントロール区:曝気をしない水槽は,終日,溶存酸素
  濃度が2.6 mg/L未満で,ほとんど変化しません.


【 この実験結果が意味すること 】

 実験区:水槽に溶存酸素濃度が20 ppmを超える高濃度酸素水があっても,光合成が可能な昼間にその水の酸素が
   消費されることはない.一方,夜間になると根から酸素が吸収されて,高濃度酸素水の酸素が消費される!
   植物は水中に十分な酸素があれば,夜間に酸素を吸収して利用することができる!

                

   根から吸収した酸素を使って昼間と同じように炭水化物を分解し,エネルギー(ATP)を得ることができる.

                

   獲得したエネルギー(ATP)を使って,根の外の希薄な養分を根の中に汲み上げることができる.

                

   光合成をしなくても,夜間も養分を吸収することができるので,その分,作物の生長が促進される

 コントロール区:大気圧の条件下では,多くの場合,水槽の溶存酸素濃度は飽和濃度8〜10 ppmを大きく下回る
   値に止まっている.昼間は光合成を行って自ら酸素を作ることができるので必要とする酸素は自給できるが,
   夜間は生理的な需要を満たす酸素の供給源がない!

【高濃度酸素水の利用が作物の生長に及ぼす効果】

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ミニチンゲンサイの水耕栽培実験における成長差

高濃度酸素水で栽培した実験区では,30日間の栽培期間を経て,地上部および地下部の新鮮重量が,それぞれコントロール区の2.0倍および1.8倍に増加しました.

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栽培30日後の平均的な成長差  上: 地上部, 下: 地下部

平均値に高いサンプルを用いて,30日の栽培期間で,コントロール区に対して実験区ではどのくらい成長が促進されたのかを示しています.


もちろん,この実験では,コントロール区(隣の水槽)と実験区の実験条件は,水槽の水の溶存酸素濃度以外は同一です.この実験結果は,高濃度酸素水を用いることにより最大約2倍の成長促進が可能となることを示しています.
この実験結果はTsutsumi et al. (2020)に掲載されています.
「研究論文」

【高濃度酸素水の利用がその他の葉菜類の作物の生長に及ぼす効果】

その他の葉菜類の水耕栽培実験における成長差

その他の葉菜類の水耕栽培実験における成長差

実験期間:2017年6月29日〜7月13日,15日間の栽培期間を経て,ホウレンソウ,バジル,レタスの地上部および地下部の新鮮重量が,コントロール区に対して,いずれも1.6〜2.0倍に増加しました.

栽培実験開始15日後における成長差

栽培実験開始15日後における成長差

ホウレンソウ,バジル,レタスの実験水槽から採集した代表的なサンプルを示しています.いずれも実験区で成長が大きく促進されました.レタスではコントロール区で根が枯れる状況で,実験区では順調に成長しました.


このように,高濃度酸素水(溶存酸素濃度 20 ppm 以上)を水耕栽培に用いると,葉菜類をはじめとする様々な
作物で最大2倍程度の成長促進効果が得られます.その理論的なメカニズムも説明することが可能となりました.

画像の説明  実際の水耕栽培による作物生産現場で高濃度酸素水を利用するための方法  画像の説明

謝辞:このページに掲載した葉菜類の水耕栽培実験は,株式会社キヌガサ(熊本市)の水耕栽培施設において,同社および熊本県立大学との共同研究の一環で実施した実験の結果をまとめたものです.実験施設を提供し,実験の便宜を図っていただいた株式会社キヌガサに対して,深謝申し上げます.