研究情報:酸素ガス溶解・海水・空気マイクロバブル

No. 2:  eco-バブル®-3N・空気マイクロバブル曝気による酸素溶解曲線 (2013.5.5)

ねらい:弊社開発のマイクロ・ナノバブル発生装置 eco-バブル®400の実用性を強化するために、DDHRS方式のマイクロバブル発生ノズルを複数組み込んだ装置(eco-バブル®-3N,-5N)を開発し、その性能試験を行いました。マイクロ・ナノバブル発生能力を水中への酸素ガス溶解能力で評価し、どの程度の能力強化が可能になったかを明らかにします。

画像の説明

実験条件:約2.1 トンの海水を入れた水槽を窒素ガスで曝気して酸素飽和度を20%まで低下させます。通常の曝気装置(ディフューザー)、eco-バブル®、eco-バブル®-3N(3基のDDHRS方式マイクロ・ナノバブル発生ノズルを装備)を使って、この水を曝気し、酸素飽和度を増加させます。酸素飽和度が20%〜95%まで変化する時の経過時間を測定し、比較しました。なお、eco-バブル®400には水中ポンプが装着されてます(消費電力 400W)。eco-バブル®-3Nでは陸上ポンプ(消費電力 1500W)を装着し、ポンプで組み上げた水を装置内部に送ります。

  eco-Bubble 3N-2013

実験結果: 

  • 酸素付加能力の大幅な強化:海水をディフューザー3基で曝気した場合(通気量 2L/分)、20%から50%溶存酸素飽和度への上昇に55分29秒を要したのに対し、eco-バブル®400では同通気量で15分22秒(1/3.6)に短縮され、eco-バブル®-3Nでは3分0秒(ディフューザーの1/18.5、eco-バブル®400の1/5.3)に短縮されました。
  • 通気量の増加:eco-バブル®-3Nでは、マイクロバブル発生のための装置により自然吸気力が強まり、最大8 L/分まで装置への吸気が可能となりました。通気量3.5 L/分による50%飽和度への上昇までに要する時間は3分(ディフューザーの1/18.5、eco-バブル®400の1/5.1)に短縮されました。
  • 95%溶存酸素飽和度までの所要時間の大幅短縮:eco-バブル®-3Nでは、飽和度20%から95%に上昇するまでの所要時間も、eco-バブル®400と比較して同じノズルあたりの通気量(3.5 L/分)で1/2.2(25分53秒)に短縮されました。さらに各ノズルのへの通気量を7.8 L/分まで増加させると、95%飽和度に達するまでの所要時間を約半分の13分0秒まで短縮させることができました。

実験例:クルマエビ養殖場における曝気実験

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株式会社海老の宮川(熊本県天草市)の協力を得て、同社のクルマエビ養殖場にeco-バブル®-3Nを設置し、酸素濃度低下防止のための実験を行いました。装置から発生するマイクロ・ナノバブルの多くは、水中に長く滞留するので、効率良く酸素ガスが溶け込みます。