研究情報:高濃度溶存酸素水・淡水

No. 1:  eco-バブル®・高濃度溶存酸素水で植物の成長促進(2017.2.6)

植物栽培に高濃度溶存酸素水を利用する意味
植物の根の細胞は次の2 つの経路を通して呼吸しています。
 ・葉の気孔から取り込む経路
 ・土壌粒子の間隙にある空気中の酸素が根の表面から吸収される経路
栽培する植物に水を与えすぎると、根が冠水してしまい、水中に溶け込んだ低い濃度の酸素しか利用できなくなるので、取り込める酸素量が限られてしまいます。このような状態が長く続くと、植物は酸素欠乏状態に置かれてしまいます。(参考: 日本植物生理学会、みんなのひろば、根における呼吸について。https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1130
 一方、水は植物の生長や生存にとって不可欠な物質です。植物の組織の約半分は水分です。果実はさらに割合が大きくなります。植物の生長を促し、果
実の収量を増やすためには、水を多く与える必要があります。しかしながら、上述のように、水を与えすぎると植物の根を酸素欠乏状態に置いてしまうというジレンマに陥ります。

給水と根の酸素呼吸のジレンマを解消する「高濃度溶存酸素水」
与える水の量を増やすと同時に,根から吸収する酸素量も増やす方法があります!それが「高濃度溶存酸素水」です!

high-O2-water supply

通常、植物の栽培で利用される水の溶存酸素濃度は最大で10 mg/L程度で、場所によっては2 〜3 mg/Lと貧酸素水も利用されています。また、呼吸速度が上昇し、植物が水を多く必要とする夏になると、逆に水に酸素が溶けにくくなります。そこで、高濃度溶存酸素水(30 mg/L程度)を植物に与えると、根は水を吸収しながら、同時に水に含まれる高濃度の溶存酸素を取り込んで、呼吸に利用することが可能になります。この水の利用で、植物への給水量を増やすと根からの酸素吸収量が減少するというジレンマを解消することができます。

eco-バブル®は、高濃度溶存酸素水を通常の曝気装置より3倍速で作ることができます!